3.安心、安全
2,008年4月23日。
伊豆諸島で、一番はじめに「緑の提灯」が灯りました。
国内産を大事に思う志から始まった「緑の提灯」運動。
その運動にいち早く手を挙げたのは、食の安全を思う気持ちがあればこそ。
地元紙「南海タイムス」さんに、次のように紹介されました。(2,008年5月2日)
食の安心安全は、日本の自給率向上がスタートですね。
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一、「鮮魚より鮮度の良い干物」
地元八丈島近海で漁獲された春飛魚、夏飛魚、そして青むろあじ。
これらの魚はどれも出漁して半日後には水揚げされます。
港からわずか38秒。ほんの少しアクセルを踏むとわずか34秒。
港からの坂道を駆け上がると、そこはもう加工場だ。
究極の鮮度自慢は、ここから始まる。
魚屋さんに売られている飛魚を見たことがあるだろうか?
ぜひ飛魚のお腹を見て欲しい。
弾けるように真っ白なお腹が見えましたか。
飛魚は漁獲から時間が経過すると、心臓の血が腹部へと流れます。
そのため、飛魚のお腹は徐々に赤く染まっていきます。
お刺身に購入した飛魚、お腹に赤い筋が入っていませんか?
当店で製造中の春飛魚を見て、お客様は言います。
「干物にするのがもったいない。」
鮮度の良さを理解しているがゆえのお言葉です。
水揚げされてから、できたての春飛魚くさやをお客様にお届けするまで
最短四日。
その行程は、
初日、早朝港より入荷。すぐに製造後くさや液へ。
二日目、夜明け前にくさや液より取りあげ、朝干し開始。
三日目、早朝、完成。お客様の元に出荷。
四日目、お届け完了。
ちなみに、築地市場に届くのは漁獲された夜。
競りにかけられるのは、翌日朝。(二日目)
それから各お魚屋さんに出回り、購入されるのは・・・
ある、お客様からのお言葉です。
「先日、飛魚を購入したけど、長田さんのくさやの方が鮮度良かった・・・」
鮮魚より、鮮度の良い干物
理解して頂けただろうか・・・
理解して頂いた方はこちら ←カチッとね
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二、「安心、安全」
くさやを製造するのに使用するのは、原料となる「魚」と「くさや液」
元々くさや液は、「塩水」であった。塩水を繰り返し使用している内に
発酵し始めたのが現在使用しているくさや液である。
基本的に、「くさや液」を一から作ることは不可能である。くさや液に潜む
くさや菌は日常見られる細菌類。それらが長い時間を通して島の風土に
馴染み塩水の中で生活をはじめた。
そこは化学的には到底説明できない領域となる。
なぜなら、くさや液は生きているからだ。
気がついていただろうか・・・
季節により、くさやのでき具合が異なることを。
色、艶、風味。
全ての環境が整ったとき、その完成度は他の干物の類ではない。
父は言う。
『一年に一度、「これだ!」と思うときがある。』
この瞬間に出会ったときの喜び。
また一年、仕事が続けたくなる。
くさや液に追加される物が、一つだけある。
それが「塩」だ。
くさや液は、唯一魚の体水で増えていく。
水分が増えることにより、塩分度数が下がってしまう。
そこで塩を追加し、塩分量を調整する。
塩分の調整は、甘辛さを調整するだけが目的ではない。
元々は保存のための塩であったが、味を調え、更には細菌類の
生活場を一定環境に保つ要素を備える。
そのため 当店では、くさや液に馴染みやすい「100%海水から
作り出された塩」のみを限定使用している。しかも海水の流速が早く
塩分濃度も高い清澄な海水から作られた塩だ。
それだけではない。
その形状は粒径が細かくウェットタイプで水溶性に優れている厳選品だ。
「塩」には、こだわらずにいられない。
くさやには、保存料、添加物など一切含まれない。
もちろんくさや液にも。
私が大事しているのは、
・原料である魚の鮮度と、
・くさや液へのこだわり。
この二つは八丈島でしか作れない大事な要素である。
八丈島の風土ゆえに製造できる「くさや」
他では作れない・・・
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